まだあった!仲介手数料両手と囲い込み!対策と騙されない3つのステップとは?

囲い込み

 

お家やマンションなど不動産の売却をするとき、媒介(仲介)依頼先である不動産業者・担当営業マンは依頼主の大切なパートナーのはずです。
当然ですが、依頼主は大切な不動産を少しでも早く、高く売っていただけるものだと思っているはずですよね。
もし、その不動産業者や担当営業マンが自己の利益しか考えていなければ、一体どうなってしまうのでしょうか?

目次

仲介物件情報は業者間で共有されるはず

不動産業者は媒介契約後、決められた期日内にレインズに登録しなければなりません。そして、この不動産情報を自社だけでなく、不動産業界全体で共有し、多くの不動産業者へ情報提供することで、正確・迅速に売買契約が成立するように尽力しなくてはならないのです。
つまり、自社の顧客への紹介や販売活動にとどまらず、多くの不動産業者の顧客や、営業・販売活動も活用し、依頼者の期待に応えましょうというものなのです。
大きな不動産会社と、小さな街の不動産屋さんが同じ情報量を共有できるのは、こういった理由からでしたよね。

両手契約がしたいために『囲い込み』

不動産仲介業者はもちろん、仲介手数料が収入源になります。下図のように、売却依頼を受けた不動産会社Bは売主さまから仲介手数料を受け取り、購入依頼を受けた不動産会社Aは買主さまから仲介手数料をいただきます。片手と呼び一番多いケースですね。

売却仲介手数料片手一般的な不動産会社

 

 

もし、下図のように、売却依頼を受けた不動産会社Aが買主さまもみつけることができれば、売主・買主の双方から仲介手数料がいただける両手となり、2倍の収入になるんでしたよね。

売却仲介手数料両手一般的な不動産会社

 

 

不動産会社も担当営業マンも、この『両手』2倍の収入が理想の営業形態になりますので、この両手に向けて、ありとあらゆる努力を惜しまず、営業に励むことになります。

このコラムは11月1日に書いていますので、今日、売却依頼を受けたとします。

11月1日に専属専任媒介契約で売却依頼を受けたとすると、この翌日11月2日から5営業日以内の11月6日まに、依頼物件の情報をレインズに登録しなくてはならない決まりがあります。
この限られた5日間で自社で買主をみつけ、理想の取引形態『両手取引』にすることはできるのでしょうか?
答えは、非常に厳しいと思われます。
この5日間にできる営業活動があるとすれば、既存のお客さまに物件紹介をすることや近隣にポスティングを行うこと、インターネット広告への掲載などがありますが、何にしても5日間で購入の意思表示をいただけるお客さまと出会える確率は、非常に低いものになります。
こうなると、売却の依頼を受けた不動産業者は、11月6日にはレインズに登録し、多くの不動産業者と売却物件情報を共有し、販売協力を仰ぐことになるのですが・・・・

レインズ登録はするけれど、自社以外の不動産業者の紹介を一切受付なければどうでしょうか?

そうです。
合法的に誰にとがめられることなく、仲介手数料2倍の両手が達成できるまで、ひたすら放置することができるのです。

このように。

レインズを確認した他の不動産業者:A
売却の依頼を受けた媒介業者:B

A『レインズ見まして、○○マンションまだありますか?』
B『あ~、○○マンション昨日申込が入りまして、商談中で~す』

A『今週末、△△一戸建てお客さんを案内したいのですが、都合はどうでしょうか?』
B『売主さん、週末は旅行に行かれてまして、△△一戸建て案内は無理ですね!』

A『検討中のお客さんがおられまして、××マンション内覧したいのですが、都合はどうでしょうか?』
B『いや~、××マンション部屋が散らかってるみたいで、掃除するまで内覧してほしくないみたいですよ』

レインズを確認した他の不動産業者Aは、売主より依頼を受けた媒介業者Bにこのように対応されると、どうすることもできないのです。
もちろん、このような行為を依頼主が知ることはありません。

囲い込みでどうなる?

売れ残る

当然ですが、依頼主の物件は早期売却できず、売れ残ります。
そもそも不動産という高価な商品の取引は、1組の内覧で簡単に決まるものではありません。多くの時間を要し、他業者にも販売協力を仰ぎながら数組、数十組と自社・他社問わずご案内があり、紆余曲折ありながらご成約いただくのです。この集客ができないのであれば当然ですね。

価格を下げ続ける

売れ残ってしまうと、売却価格を下げるしかありません。
このような囲い込みを知らない依頼者ですから、不安になるのも当然です。問い合わせが少ない=物件価格が相場より高いと判断されますから、依頼した業者が買主をみつけるまで、ひたすら価格を下げ続けなくてはいけません。

依頼を受けた業者も儲からないのでは?

不動産仲介業者にとって物件は、購入しているわけでも、ローンを支払っているわけでも、税金を払っているわけでもありません。
あくまで、媒介(仲介)であり、販売協力・お手伝いですので、売却物件が早く売れようが売れまいが、痛くもかゆくもないのです。何よりも、仲介手数料が2倍もらえる『両手』にすることの方が、会社にとっても、担当営業にとっても一番楽でお得な取引、理想形なのです。

『囲い込み』業者は今でも存在します

これは完全に依頼者への背信行為で、許されるものではないはずです。
所有の不動産を売却されるお客さまには、売却する理由があるのです。『住宅ローンの支払いが厳しくなって売却されるケース』や『買い替えを目的に売却されるケース』、『売却代金を何かに充当されるケース』などそれぞれあるです。売却が遅れ、販売価格が予定より下回ってしまうことで、依頼主が何かしらの危機に直面するケースもあるかもしれません。

不動産会社が、担当営業が、自分たちの売上・利益・歩合のみを追求し、囲い込み、お客様に背信行為を行う。
許されるはずもない行為ですが、実際に、今でも、このような業者が存在するのは事実です。

ご自身でできること・対策

ご自身でレインズ登録の確認

不動産業者に売却依頼し媒介契約を締結すると、不動産業者はその物件情報をレインズに登録しなければなりません。このレインズに登録されると、指定流通機構により『登録証明書』が発行され、レインズ登録の証として、依頼者に遅滞なく交付しなければならないと決められています。

平成28年1月以降の取扱物件であれば、この証明書に『確認用ID』と『確認用パスワード』も併記され、依頼者ご自身が登録物件情報を確認できるようになりました。

現在、不動産を売却中のお客さまで、何かしら疑問に感じておられるようでしたら、ご自身でレインズ登録情報をご確認されることをおすすめします。

他の業者に声をかけてもらう

万が一、囲い込みではないか?と依頼業者に不信や疑念を持たれるようであれば、他の不動産業者にお願いするのも一つの方法だと思います。
本来、健全な不動産業者であれば、物件問い合わせ時に回答は一つしか持っておりません。
他の業者に対して、依頼主(売主)に対して、一般客(購入客)に対して『ご紹介できます』や『商談中です』、『契約予定です』などです。
もし、これらの回答がそれぞれに違う内容であれば、囲い込みの可能性が非常に大きいということになります。

これを見抜く3つのステップ

1.依頼者ご自身で他の不動産業者を1つみつけ、その業者から依頼先の業者へ物件の確認をしてもらいます。
(この時の回答は、『紹介できる』『紹介できない』『何かしらの理由で紹介できない』の3つしかありません)

2.次に、依頼者(売主さま)ご自身で、依頼先業者へ販売状況の確認をします。
(いつも通り販売状況の話などをして、感触をつかんでください)

3.最後に、依頼者の家族や親せきなど、よく知る方に依頼先業者へ問い合わせしていただきます。
(対象物件に問い合わせし、検討したい旨を伝えてください。回答は1と同じで3つしかありません)

これらが出そろった段階で、回答やニュアンスが同じであれば、売れにくいというのは相場より高いのではないかという結論になります(笑)
もし、3者共に違う回答やニュアンスがあった場合、囲い込みと考えてよいでしょう。

まとめ

このように、すべての不動産業者がこの囲い込みを行っているわけではありませんが、この業界の悪しき慣行でしょうか、少なからず存在するのは間違いない事実です。
そして何より、依頼者にとって何のメリットも無いということです。

不動産の売却は簡単なものではありません。時間と労力、不動産業者の応援が欠かせません。

愛着のあるお家やマンションです。すべてを業者に任せてしまうのではなく、少しだけ意識してご自宅の売却をすすめてみられたらいかがでしょうか。

万が一、このようなことでお困りであれば、中井不動産までお気軽にご相談、お話しください。

 

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